南信州自然エネルギー普及協議会。南信州菓子工房のバイオガス創出プラント見学レポート

全景




南信州自然エネルギー普及協議会員の南信州菓子工房(阿智村・阿南町)さんの工場で、ドライフルーツの製造過程から出る排水を利用して発酵によるメタンガスを創出し、そのガスを蒸気ボイラーに活用する新プラントが今年完成しました。
2020年2月14日(金)に見学会を実施しましたので、見学会レポートを掲載します。

まずは研修室で、プラント建設に至った背景や、システム概略をお聞きしました。




糖分など高濃度の有機物を含む排水処理を避けては通れない食品産業。
今回導入したプラントでは、その排水を処理する過程で、嫌気発酵から発生するメタンガスを利用し、蒸気ボイラーの熱源としてドライフルーツを製造するエネルギーに再利用しています。
処理された排水は河川に放流することができる環境基準を満たしています。

嫌気発酵をする反応槽など設備は非常に大きく、その施工には多くのご苦労があったようですが、設備投資もそれだけ大きく、補助金の活用もしながら実現したそうです。
一方で、嫌気発酵を利用することで排水処理時の発生汚泥や使用電力が減り、またメタンガスがこれまで購入していた化石燃料の一部(約16%)を代替できているので、コストカットにもつながっているそうです。
排水処理をしながら、カーボンニュートラルとなる燃料が手に入り、燃料代等もコストカットできるとは一石数鳥のシステムですよね。

講義のあと、実際のプラントをまじか見せていただき質疑応答をしていただきました。
嫌気発酵にて使われるメタンを生み出す微生物も見せていただきましたが、非常に小さな存在ながらとても頼もしく感じました。




フレッシュな食感のある半生ドライフルーツで有名な南信州菓子工房さん、コンビニやサービスエリアなどで広く販売されているのを目にしている方も多いかもしれません。
飯田を始め南信州の半生菓子の全国シェアは40%にのぼります。
近場にも同業者さんがいることから、同様のプラントが横展開されれば、食品業界の課題となってきた多くの高濃度排水や熱利用の問題が少しでも解決されるのでは、という今泉専務取締役のお言葉が印象的でした。

元々、工場には排水処理のためのインフラがなく、何らかの排水処理設備を導入する必要もあり今回のプラント導入に踏み切ったとのことでしたが、専務の希望通り、同様の取り組みが次々と生まれることを想像しながら、大きな反応槽を見上げて工場を後にしました。